私とアロマセラピー

香りと暮らす

アロマとの出会い

私がはじめてアロマを知ったのは、社会人になってからのことでした。
よく行く雑貨屋さんで「ベルガモット」というアロマオイルの香りを嗅いだのがきっかけです。
ベルガモットはオレンジやみかんと同じ柑橘類ですが、初めてその香りを嗅いだときの感動は今でも覚えています。
私がそれまで嗅いできた柑橘の香りとはまったく違って、爽やかさの中に温かさやエレガントさを感じさせる香りで、あまりの心地よさに思わず衝動買いしてしまいました。

とはいえ、買ったはいいものの、どう使えばいいのかはわからず…。
最初はティッシュに1滴垂らして枕元に置く、という簡単な方法で楽しんでいました。
そのうちにアロマセラピーの本を買って、アロマライトやディフューザーを使うようになりました。

当時、新人看護師だった私は、早く仕事を覚えなければという焦りや、患者さん・先輩との人間関係、夜勤での生活リズムの乱れなど、自分でも気づかないうちに大きなストレスを抱えていたのだと思います。
ベルガモットの香りは、そんな私のストレスをそっと包み込み、癒してくれていました。
あのとき雑貨屋さんで香りを嗅いだときの感動は、きっと当時の私にとって、心が欲していた“必要な香り”だったんだろうと思います。

アロマの魅力に気づいた私

そんな風に、私はアロマの力を身をもって体験し、その魅力にどんどん惹かれていきました。
アロマについて知れば知るほど、私が大切にしたい看護観とぴったりだと気づいたのです。

私は看護師ですが、何でも薬に頼ることはあまり好きではありません。
看護学校でまず学んだナイチンゲールの『看護覚え書』にも、“療養環境を整え、人間の持つ自然治癒力を高める”という考えが大切にされています。

病院では、「眠れない」と訴える患者さんにたくさん出会いました。
その原因の多くは、慣れない療養環境や生活リズムの乱れ、病気や家庭の心配など、数え切れないストレスです。

睡眠薬を処方すれば、もちろん眠れることもありますが、効果は一時的で、また眠れなくなる方も少なくありませんでした。

そんな患者さんが心地よく眠りにつける環境を整え、そばに寄り添って話を聞いたり、安心してもらえるようにマッサージをしたり…。そうした人と人とのぬくもりが、心を整える大切なケアになると、私は信じていました。

そんなとき、本場イギリスのアロマセラピーが学べるスクールがあることを知り、資格取得を目指しました。
そのスクールの先生が教えてくれた、忘れられない言葉があります。

「医学がこれほど進歩しても、ストレスに直接作用する薬は今のところありません。
でも、アロマセラピーで使う精油には、ストレスを和らげ、リラックスさせる効果があります。
ストレスに直接働きかけられる、数少ない療法なんですよ。」

私は目から鱗が落ちる思いでした。
“ストレス社会”と言われる今の時代に、アロマセラピーって最強なんじゃない?
そんな素晴らしいものを、もっと多くの人に知ってもらいたい。
心も体も健やかに過ごすために役立ててもらえたら…。
そんな思いを、ずっと大切にしてきました。

私の「香りのある暮らし」

とはいえ、セラピストとして病院でアロマセラピーを実践するのは現実的ではありませんでした。
思いだけが心の奥にくすぶる中で妊娠・出産を経て、子育てをしながらの病棟勤務に限界を感じ、病院を退職するとともに、アロマセラピーからも少し離れていました。

でも、自分の日常では「香りのある暮らし」を密かに続けていました。
精油は、ストレスを和らげるマッサージや芳香浴だけに使うものではありません。
虫除けや食中毒予防に役立つ香り、玄関やトイレの消臭に便利な香りもあります。
何より、特別な知識がなくても、ただ好きな香りを嗅ぐだけで、気分がすっとリフレッシュできたり、元気が湧いたり、心地よく眠れたりします。

アロマの使い方は本当に自由なんだな、と日々感じています。

紆余曲折ありながらも、またこうしてアロマの魅力をもっと多くの人に知ってもらいたいと思い、活動を始めました。

この記事を読んで、少しでもアロマセラピーに興味を持っていただけたら嬉しいです。
次回は、今の時期にぴったりな香りと、その簡単な使い方をご紹介します。
どうぞ楽しみにしていてくださいね🌿✨

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